地下鉄サリン事件や松本サリン事件をはじめとするオウム真理教が起こした事件の被害者らを供養しようと、山梨県旧上九一色村(現・富士河口湖町)の教団施設「第2サティアン」などの跡地で21日、僧侶が卒塔婆(そとば)を立てた。
- 富士山麓のサティアン跡に立つ卒塔婆 慰霊碑に通い続ける住職の祈り
卒塔婆を立てた僧侶は、静岡県富士宮市にある日蓮宗の常泉寺の貫名(ぬきな)英舜(えいしゅん)住職(72)。教団施設への一斉捜索があった3月22日に合わせ、2000年ごろから、毎年3月22日前後に訪れ、供養している。
この日は午前10時半ごろから、慰霊碑に卒塔婆を捧げ、静かな公園で20分ほどお経をあげた。
教団からの脱会を願う信者の家族らの相談会を開いてきた経験があり、この日も「信者のお母さん方の顔が何人も浮かんできた」。
亡くなった信者だけでなく、その親、松本や東京で起きたサリン事件の被害者らすべてを供養したいと、この日もお経をあげた。
「あの狂気はいつの時代も起こりうる。30年たったが風化させてはいけないと思う」